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「生態系へのジャックイン展」

思考実験とプロトタイピングを通して、ありうる都市の形を探求するリサーチチーム「METACITY(メタシティ)」が企画する初の展覧会。千葉市初の芸術祭「千の葉の芸術祭」の1部門として開催。

夜の日本庭園を舞台に、現代アートやメディアアート分野で注目を集める新進気鋭の若手アーティスト14組の作品を茶の湯のプロセスになぞらえて展示します。

【イベント名】生態系へのジャックイン展(The Exhibition of Jack into the Noösphere)

【主催】千の葉の芸術祭実行委員会

【企画運営】METACITY

【会場】日本庭園「見浜園」

【会期】2021年7月24日〜8月8日 18:00-21:00(最終入場20:30)
※8月2日(月)休館日(見浜園は通常営業)

【作家】14組:石川 将也、ALTERNATIVE MACHINE、後藤 映則、齋藤 帆奈、The TEA-ROOM、関野 らん、滝戸 ドリタ、田中浩也研究室、多層都市「幕張市」、田中 堅大、Dead Channel JP、ノガミ カツキ、松田 将英、Ray Kunimoto ※50音順

【入場料】無料(事前予約制

新型コロナウイルス感染症拡大状況によって、会場、時間および内容は予告なく変更となる場合がございます。ご来場前に必ず、本公式サイトをご覧ください

互いの認知世界を交換し、交感し、交歓しあう

伝説的SF小説『ニューロマンサー』は千葉の空を見上げるシーンから始まりました。サイバースペースへとジャックインする主人公たちの姿はどことなく、都市計画とインターネットという二重のグリッドに囚われた今のわたしたちに似ています。そこは無限に広がっているようでどこか寂しい、人間だけの世界です。わたしたちはいかにして多様な生物/無生物がひしめく世界へと帰還できるのでしょうか?

かつて、地球規模で互いの思考が接続されることで人間は形而上学的な知識の生態系”Noösphere(ノウアスフィア|精神圏)”の中に住まうようになる、と言われました。生物ごとの多様な世界の捉え方が明らかになりつつある今、わたしたちは人間だけに留まらないあらたなNoösphereを描きだせるのではないでしょうか?

本展は日本庭園という、自然を人為的に再構成することで本来以上の意味を創造する拡張環境を舞台に、自然と技術とアートの結節点となる作品たちを茶の湯のプロセスになぞらえて配置します。そこは理想化された電脳空間でも素朴な自然世界でもない、様々な認知世界が響き合う場であり、同時に茶の湯が追い求めてきた幽玄の思想を継ぐものとなるはずです。

互いの認知世界を交換し、交感し、交歓しあう、あらたなる生態系へようこそ。

アーティスト

松田 将英 | Masahide Matsuda

アーティスト

デジタル社会における匿名性や集合知を主題としたパフォーマンス、インスタレーション作品で知られる。ソーシャルメディアをベースに様々な名義での活動後、2019年より実名で活動する。近年の主な展覧会に、「Mob World Reverb」TALION GALLERY(2021/東京)、「ENCOUNTERS」ANB Tokyo(2020/東京)、「超現代美術展」会場非公開(2020/東京)、「White Magazine」EUKARYOTE(2019/東京)、「AMBIENT REVOLTS」ZK/U(2018/ベルリン)など。2016年「Prix Ars Electronica」準グランプリ受賞。

石川 将也 | Masaya Ishikawa

アーティスト/映像作家/グラフィックデザイナー/視覚表現研究者

協力:中路景暁

1980年生まれ。慶應義塾大学佐藤雅彦研究室を経て、2006年より2019年までクリエイティブグループ「ユーフラテス」に所属。科学映像「NIMS 未来の科学者たちへ」シリーズなど教育映像の制作に携わる。2020年独立。デザインスタジオcog設立。研究を通じた新しい視覚表現手法の開発と、それを用いて情報を伝えるデザイン活動を行っている。最新作「Layers of Light / 光のレイヤー」が令和2年度メディア芸術クリエイター育成支援事業に採択された。2019年より武蔵野美術大学空間演出デザイン学科 非常勤講師。

ALTERNATIVE MACHINE

人工生命(ALife)の研究者を中心としたメンバーによって2017年に設立。多数の企業との人工生命的なアプローチによる共同研究をはじめ、「自律性」や「オープンエンドな進化」を人工的に構成するための研究開発、人工生命の理論/技術を用いた作品制作や社会実装を行っている。

後藤 映則 | Akinori Goto

アーティスト

1984年岐阜県生まれ。アーティスト、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科准教授。古くから存在する手法やメディアと現代のテクノロジーを掛け合わせ、目に見えない事象や関係性を捉える造形制作やインスタレーションを制作。主な展覧会に、「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.09 時どきどき想像」高松市美術館(2020/香川)、「オープン・スペース 2019 別の見方で」ICC(2019/東京)、「Ars Electronica Festival 2019」POST CITY(2019/リンツ)など。

齋藤 帆奈 | Hanna Saito

アーティスト

多摩美術大学工芸学科ガラスコースを卒業後、metaPhorest (biological/biomedia art platform)に参加し、バイオアート領域での活動を開始。現在は東京大学大学院学際情報学府博士課程に在籍(筧康明研究室)。理化学ガラスの制作技法によるガラス造形や、生物、有機物、画像解析等を用いて作品を制作しつつ、研究も行っている。近年では複数種の野生の粘菌を採取、培養し、研究と制作に用いている。主なテーマは、自然/社会、人間/非人間の区分を再考すること、表現者と表現対象の不可分性。

The TEA-ROOM

アート集団

日本の総合芸術ともいわれる「茶の湯」のありうる形を探求するアート集団。2015年に結成し、翌年には銀座ソニービル内に日本庭園をテーマとした空間をプロデュース。国際的な野外音楽フェスティバルで国内外のトップアーティストに向け移動式茶室を用いたプライベート茶会を開催するなど従来の茶会とは異なる体験をデザインする。2020年に中部国際空港の国際コンコースに全長30mを超える作品を展示し、2021年には150mの建築物を使用したパブリックアート作品を展示するなど大型のアート作品の制作にも注力している。

関野 らん | Ran Sekino

墓地設計家/建築家/ランドスケープデザイナー

制作協力:(株)メモリアル開発

東京大学工学部社会基盤学科、同大学院修士課程にて、建築家 内藤廣に師事し土木と建築を学ぶ。2011年SRAN DESIGN設立。大学院在籍時より従来の墓地の研究とともに新しい埋葬形式を探求した墓地の設計に携わり、現在まで多様な墓地の設計を行う。主な作品「風の丘樹木葬墓地」(東京都八王子市)、「樹木葬墓地 桜の里」(東京都町田市)など。人間の生と死について常に向き合い、分野を超えてランドスケープから建築、インテリアまで幅広くデザインし、100年後までつながる人の生きる場所を模索している。

ノガミ カツキ | Katsuki Nogami

現代アーティスト

新潟県長岡市生まれ。2013年にベルリン芸術大学Olafur EliassonのRaumexperimenteに交換留学。2015年には武蔵野美術大学映像学科クリストフ・シャルルゼミ卒業。生きづらいインターネットとの付き合い方、現実とのギャップで歪んだアイデンティティと向き合う為に制作活動を続ける。主な展覧会に、Data : Salon XXXIIEastern Blocギャラリー(2018/モントリオール)、「Foreign Bodys」ゲーテインスティトゥート(2017/上海)、など。

滝戸 ドリタ | Dorita Takido

アーティスト/ディレクター/デザイナー

Photo by Ryohei Tomita

異なる機能や感覚を組み合わせることによって、いままでの感覚がずれるような新たな体験を創出。また作品の発想は突飛であっても、テクノロジーと洗練されたデザインを並走させながら、多くの人が考え思いを馳せる、思考の入口を作る。主な受賞に、「PRIX ARS ELECTRONICA & STARTS Prize 2017」DIGITAL MUSICS & SOUND ART部門 Honorary Mentions(2017)、「第18回文化庁メディア芸術祭」エンターテインメント部門新人賞(2014)。2016年度、2019年度メディア芸術クリエイター育成支援事業2度に渡り採択。

多層都市「幕張市」 | METACITY

多層都市「幕張市」は、実在しない行政区「幕張市」を舞台に、新たな都市を作り出すリサーチプロジェクト。WEB3.0技術を応用した次世代の集団合意形成システムの開発、自律分散社会における新たな統治や物理性をともなわない環境における実在性と祝祭性のあり方をまず探求している。研究者やアーティスト、エンジニア、SF作家、官僚など多様な個人が草の根的に活動に参画。2021年からは都市研究をおこなうMITメディアラボ City Science Groupなどの研究室も参画している。

田中 堅大 | Kenta Tanaka

都市音楽家

1993年、東京都生まれ。都市音楽家(Urban Composer)。都市の現象を観察し、音楽/サウンドアート制作に応用することで、都市を主題に音を紡ぐ「都市作曲(Urban Composition)」の確立を模索している。European Postgraduate in Arts in Soundにて、ベルギー・オランダ・フランスを巡りサウンドアートを研究したのち、都市の記憶を回想する個展「Urban Reminiscence——Sound, Object, and Rhythm」Sta.(2020/東京)を開催。

田中浩也研究室 + METACITY | Keio SFC Hiroya Tanaka Lab. + METACITY

Photo by: 北九州未来創造芸術祭 ART for SDGs

デザインエンジニアリングの視点から3D/4Dプリンティングに取り組んでいる慶応義塾大学SFC田中浩也研究室と、思考実験とプロトタイピングを通して「ありうる都市」の形を探求するリサーチチームMETACITYによる協働プロジェクト。大型の3Dプリンターに複数の自然素材を採用し、それにデジタル技術で新たな形態と構造を与え、「人新世」の時代の社会彫刻を模索する。

Dead Channel JP

千葉市SF作家集団

Map by Lincun as CC BY-SA 3.0

千葉市在住または千葉市に縁のあるSF作家の団体。メンバーは石川宗生、小川哲、高橋文樹、名倉編の4名。作家同士の相互扶助コミュニティを千葉市に創出し、コミュニティメンバーから世界に通用するSF作家を輩出することを目的に設立。団体名はウィリアム・ギブソンの名作『ニューロマンサー』のチバシティーについての有名な書き出し「港の空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色だった」(黒丸尚訳)より。

Ray Kunimoto

サウンドアーティスト

1991年NY出身、東京育ち。2017年よりNY在住。慶應義塾大学文学部美学美術史専攻卒業。独自の立体音響システムやテクノロジーを駆使し、体験者の振る舞いと空間を密接に関係させるインスタレーション作品を制作する。「静寂」をテーマに日本の伝統的美意識と現代のテクノロ ジーを結びつけ、サウンド制作や、エンジニアリング、彫刻、空間設計など様々な領域を横断し、新しい音響体験を提示する。日本、アラブ首長国連邦、台湾、アメリカをはじめとし世界各地でサウンドインスタレーション作品を発表、ライブパフォーマンスを行なっている。

アクセス

【会場】日本庭園「見浜園 」

【住所】〒261-0021 千葉県千葉市美浜区ひび野2-116

【最寄り駅】JR京葉線「海浜幕張」駅南口から徒歩約10分

お願い・注意事項

・開催期間中は会場周辺で交通規制が行われる予定のため道路混雑が予想されます。お越しの際は、公共交通機関をご利用ください。
・風邪のような諸症状(発熱、咳、喉痛、腹痛など)のある方、または体調がすぐれない方は、参加をお控えください。
・常時マスクをご着用の上ご参加ください。
・ソーシャルディスタンス維持、入場時の消毒、その他対新型コロナウイルス感染拡大防止策へのご協力をお願いします。
・新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からスタッフの指示があった場合はご協力をお願いします。

・アルコールや危険物の持ち込み、酒気帯び状態でのご入場、園内での喫煙、他のお客様への迷惑行為、その他公序良俗に反した行動は禁止します。
・アルコール、刃物、スプレー類、火器、大型の三脚や撮影機器、スーツケース、その他大型で歩行や他の鑑賞者の妨げになるものの持ち込みは禁止です。
・手荷物検査を実施、持込み禁止品があれば一時預かりを行う可能性があります。
・入場制限を行う可能性があります。